アーキテクチャの生態系
- 作者: 濱野智史
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2008/10/27
- メディア: 単行本
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セカンドライフやPSHomeはなぜはやらないのか?というICCのメタバース研究プロジェクトの記事 ICC ONLINEE | ARCHIVE | 2010 | ICC メタバース・プロジェクト | メタバース研究会を読んで、空間よりも時間を重視した考え方が気になって購入。
社会学などの知識が皆無の自分でもわかりやすく、ネットでおきた社会現象をほぼ時系列で説明しちょる。流れ的には、
ウェブ誕生→グーグル→ブログ→2ちゃん→SNS→P2P→セカンドライフ→ニコニコ→初音ミク→恋空
といった具合。日本の社会的特徴(みんな仲良し)をキーにしながら、わかりやすく説明しています。
ここで言うアーキテクチャとは、ローレンス・レッシグがCODE―インターネットの合法・違法・プライバシーで述べているアーキテクチャと言う意味。人が行動するときに、「規範」や「法律」で制限するのではなくて「こうするかしない」と「規制」を自動的に行うシステムのことをアーキテクチャと定義しています。例えば、コピーコントロールCDなどは一回しかコピーをさせない(実際に抜け道は腐るほどあるが)アーキテクチャということになります。そして、このアーキテクチャの意味としてもひとつ重要なのが、規制されている本人自体がそれを意識しなくても規制されてしまう。知らないうちにやってしまうということらしいです。
これを読んで、今あるSNSやカジュアルゲーム、ソーシャルゲームに対する未来予測や新たなアプローチを探したのですが、明確に答えはでず。というかまだ租借しきれてない。日を改めて二週目だな。
ただ思うのは具体的な案は全くないけど、これからまたメタバースをやるならば、ニコニコが持つ「自分一人なのになんでかみんなと盛り上がってる感」を維持しつつ、「でも仲良しと一緒にいるとさらに盛り上がれるぜ」っていう共存があれば、それは一つの空間として新しくなれるんじゃないかと。だけどそのためには絶対的に対外へかなりオープンであって情報の坩堝じゃなきゃいけないと思うんです。なんで、PS3持ってる人しか遊べないPSHomeとかが、プラットフォーム内だけで盛りあげようとるのは・・・うーん。結局はやらないんじゃないかなぁ。
批判ばっかだな。しかも感覚的な。
まあ、ブログ第一発目だからこれでいい。
こんな感じではじめてきます。
んにゃ。
以下、心に残った考え方。の羅列。
- ブログとは「グーグルにヒットされやすい」ウェブページの自動生成のために作られた。つまり、グーグルの延長にブログの進歩がある。
- 2ちゃんとはグーグルなきウェブの進化版。
- 2ちゃんねるは、匿名性による都市空間と、ねらーによる内輪空間という相反する空間が共存している貴重な場。
- 「繋がりの社会性」:議題や内容よりも、相互に繋がっているということを大切にする社会。日本の特徴(みんな仲良し)をとらえた、誰かの有名な言葉らしい。2ちゃんの祭りなどが典型例。
- ミクシは足跡や招待性などで、危険なウェブ内を制限して安全を与えている。でも崩壊したお。
- セカンドライフがはやらないのは、ユーザが場所ではなく「時間」を同期しなければいけない。ニコニコは擬似的にユーザの発言を映像の線分の時間にマッピングするので、「いま、ここ性」が発生。だから盛り上がる。これを著者は「疑似同期」と呼んでいる。
- ミクが売れたのは、ミクが単純に萌えたからだ。
- ミクとオープンソースの考えは似ているが違う・・・意見を忘れたので再読の必要あり。